「デジャブ」の語源はフランス語("déjà" + "vu")〜身近にあるフランス語〜
「デジャブ」とは、「実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じる現象」です。(wikipedia)
日本語では「既視感」といいますね。
「初めて来るはずの場所なのに、なぜだか小さい頃に来たことがある気がする...」
といった時に使うこの単語、語源は何語かご存知でしょうか?
見出しにも書きましたが、これはフランス語から来ています。
「デジャブ」="déjà" + "vu"
音としては、「デジャヴュ」の方が近いと思います。
"déjà"は「すでに」という意味(副詞)。
"vu"は、「見る」という意味の"voir"の過去分詞。
合わせて直訳すると、「すでに見た」ということになります。
ここから、「デジャブ」=「すでに見た」→「既視感」となったのは自然な気がしますね。
"pend"=「吊るす」〜語源から覚える英単語〜
「ペンディング」という言葉があります。
タスクなどが「仕掛かり中であること」を指し、仕事などで使われることも多いですね。
英語の綴りにすると、"pending"となります。
今回は、この"pend"について見ていきます!
"pend"は、「吊るす」という意味です。
これから派生している単語を見ていきましょう。
・"pending"="pend" +"-ing"
「吊るされている状態」=「現在仕掛かり中の、未定な」
ingをつけることで状態を表しています。
・"suspend"="sus" + "pend"
「下に("sus")」+「吊るす」=「ぶら下げる、つるす、中断する」
まさに文字通り、「下に吊るす」ですね。「中断」も、宙ぶらりん担っているイメージです。
名探偵コナンがつけている、「サスペンダー」も、"suspender"ですね。
・"depend"="de" + "pend"
「下方に("de")」+「吊るされている」=「依存する、頼る」
いわゆる「ヒモ」のイメージでしょうか笑。
"pendant"="pend" + "-ant"
「吊るす」+「もの(ant)」=「下げ飾り、ペンダント」
"-ant"はフランス語で「〜している」という現在分詞や、形容詞を表す語尾です。英語では「〜するもの、〜する人」という意味の接尾辞です。
いかがでしょうか。
身近な単語のつながりを感じるのは楽しいですね!
それではまた!
(参考文献:ジーニアス英和辞典)
CorporationとCooperation〜語源を考えれば迷わずスッキリ〜
CorporationとCooperation。
意味は、
"Corporation"=「会社、企業」
"Cooperation"=「協力」
となりますが、どっちがどっちだかわからなくなった経験はありませんか?
カタカナにするとどちらも「コーポレーション」となりますので、私は受験時代にいつもどっちがどっちだからわからなくなっていた記憶があります(汗)。
でも、語源と単語の成り立ちを考えることで、スッキリ違いを理解することができます!
Corporationは、"Corpor(a)"+"(a)tion"と分けることができます。
"corpor"は「体」を意味するラテン語からきています。
そのため、「〜すること、もの」という意味の"tion"とあわせることでいわば「体をなすもの」といった意味になります。
企業というものを考えた時に、「様々な部署が各々の役割を果たし、全体で体をなしているもの」と考えることができます。(様々な部署が、体の器官に対応すると思います。)
それゆえに、企業を意味するCorporationが「体」という意味から成っていることも納得できるのではないでしょうか。
一方、Cooperationは、"Co"+"operation"と分けられます。
"Operation"「運転、操業、(いわゆる)オペレーション」という意味ですね。
(ここでは自体の成り立ちには立ち入らないこととしましょう。)
"Co"は、「一緒に、共に」という意味の接頭辞なので、Cooperationは、「一緒にオペレーションを行う」という意味になります。
まとめると、
"Corporation"=「体をなすもの」=「会社、企業」
"Cooperation"=「一緒にオペレーションを行う」=「協力」
ということになります。
いかがでしょうか?
少しでももやもやが解消されるきっかけになってくれれば嬉しいです。
今回は以上です!
(参考文献:ジーニアス英和辞典)
"culture"は「耕されたもの」?〜"culture"と"cultivate"の関係〜
"culture"という言葉がありますね。「文化」という意味です。
一方で、「耕す」という意味の"cultivate"という単語があります。
この2単語は、無関係のようで実は関係しているのです。
単語を眺めると、語頭の"cult"という部分が共通しています。
"cultu"、"cultiv"には、共に「耕す」という意味があります。
"cultivate"は"cultive"に「〜の状態にする」という意味の"ate"が結びついて、「耕す」。まさにそのままの意味ですね。
"culture"はもともと、"cult"に「もの」という語尾の"ure"が結びついて、「耕されたもの」という意味です。
では、なぜ「耕されたもの」が「文化」という意味になったのでしょうか?
文化とは、長い時間をかけて人々の生活や精神に刻まれているものです。
「精神など人間の内面が耕されてきた結果、生まれた産物」と考えることができます。これが、「文化」という言葉として今用いられている、ということなのです。
この意味の繋がりを知った時、個人的にはとても腑に落ちた記憶がありますが、皆さんはいかがでしょうか?
今回は"culture"と"cultivate"という、一見意味は似ていないけれど根底はつながっている単語について扱いました。
それではまた!
(参考文献:ジーニアス英和辞典)
"vita"「命、生活」〜身近にあるラテン語〜
今回は、ラテン語で「命、生活」の意味を表す"vita"を扱います。
この"vita"は今の英語に残っており、私たちの身近なところにもあります。
vital:「命の、生命の、不可欠な」
"vita"に「〜に関する」という意味の"al"を結びつけてできた単語です。
「命に関わる」→「不可欠な」という意味になるのは違和感ありませんよね。
スポーツ選手が摂取するアミノバイタルの「バイタル」はまさにこの"vital"です。
vitamin:「ビタミン」
日頃から私たちが耳にする「ビタミン」。
これは、「生きるために必要な(vita)アミノ酸(amine)」という意味です。
(当初、この物質はアミノ酸に含まれていると考えられたため、「アミン(amine)」が用いられました。)
ちなみにこの"vita"、ラテン語から派生した各種言語では今でもそのまま、もしくは似た形で使われています。
イタリア語:vita(全く同じ!)
スペイン語:vida
フランス語:vie
(参考文献:ジーニアス英和辞典)
英語にはラテン語起源の単語が多い〜ラテン語と英語の深いつながり〜
「英語」と聞くと、「今後は英語ができることは当たり前」と学校で聞かされ、学習で大変な思いをした方も多いかと思います。
私も始めた当時はあまり英語が好きではありませんでした。
しかし、英語と他言語との関わりを見て行くと、その背景にある歴史を感じられ、「案外面白いかもしれない」と思い、そこから少しずつ語学が好きになっていきました。
英語は、ラテン語から派生した言語ではありませんが、単語の多くはラテン語を起源としています。
具体的な単語については今後扱っていくこととして、今回は英語がいかにラテン語から単語を取り入れたかについてお話しします。
ラテン語は、大きく2種類のルートを辿って英語に影響を与えました。
- ラテン語→フランス語→英語
かつて、イギリス(イングランド)は11世紀に、フランス語を話すノルマン人により征服されます。そこから数百年、英語とフランス語が入り混じることとなります。
これにより、英語はフランス語を通して間接的にラテン語起源の語彙を取り入れることになりました。 - ラテン語→英語(借用)
ルネサンスの頃になると、学者によりラテン語が借用語として直接英語に取り入れられるようになりました。
こうして、ラテン語の影響を大きく受けた英語を私たちが勉強していると考えると、ラテン語の持つ影響力の大きさを思い知ることができる気がしますね。
"virus"はなぜ「ウィルス」と読む?〜身近にあるラテン語〜
昨今世界を震撼させている、コロナウイルス。
日本でも感染者が増加しており、先行きが大変心配ですね。。。
「ウィルス」。
英語の綴りは"virus"ですね。英語読みだと「ヴァイラス」のようになります。
ではカタカナではなぜ「ウィルス」となるのでしょうか?
実はこれ、ラテン語読みしているのです。
ラテン語は、基本的にはローマ字読みですが、"v"を「ウィ」のように発音します。
そのため、virusを「ウィルス」と読んでいるのです。(ラテン語でvirusは「毒」を新たす単語です。)
他にも、学校で教わる、森鴎外の小説「ヰタ・セクスアリス」は、"vita sexualis"という綴りで、冒頭の「ヰ」はこの「ウィ」に対応しているわけです。
("vita"という単語も、いずれ扱っていきたいと思います。)
こうして見てみると、案外ラテン語は日常の近くにいることを感じられるのではないでしょうか?